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平成 5年第 2回定例会−06月03日-05号

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  1. 札幌市議会 1993-06-03
    平成 5年第 2回定例会−06月03日-05号


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    最終取得日: 2021-04-26
    平成 5年第 2回定例会−06月03日-05号平成 5年第 2回定例会                平成5年   第2回定例会           札 幌 市 議 会 会 議 録 (第 5 号)                平成5年6月3日(木曜日)             ――――――――─――――――――─ 〇議事日程(第5号)  開議日時 6月3日 午後1時 第1 議案第3号から第7号まで及び議案第12号から第15号まで(市長提出)             ――――――――─――――――――─ 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第3号 平成5年度札幌公債会計補正予算(第1号)  議案第4号 専決処分承認の件(一般会計予算の補正)  議案第5号 札幌恩給条例等の一部を改正する条例案  議案第6号 札幌健康づくりセンター条例の一部を改正する条例案  議案第7号 札幌都市公園条例の一部を改正する条例案  議案第12号 財産の取得の件(学校用地
     議案第13号 町の区域を新たに画し,及び変更する件  議案第14号 町の区域を新たに画し,及び変更することに伴う関係条例の整理に関する条例案  議案第15号 市道の認定,変更及び廃止の件             ――――――――─――――――――─ 〇出席議員(68人) 議   長      見 延 順 章 君 副 議 長      伊与部 敏 雄 君 議   員      三 上 洋 右 君 議   員      道 見 重 信 君 議   員      上瀬戸 正 則 君 議   員      伊 藤 知 光 君 議   員      原 口 伸 一 君 議   員      畑 瀬 幸 二 君 議   員      大 西 利 夫 君 議   員      義 卜 雄 一 君 議   員      長 内 順 一 君 議   員      武 藤 光 惠 君 議   員      井 上 ひさ子 君 議   員      山 口 た か 君 議   員      福 士   勝 君 議   員      千 葉 英 守 君 議   員      村 山 優 治 君 議   員      武 市 憲 一 君 議   員      大 越 誠 幸 君 議   員      猪 熊 輝 夫 君 議   員      西 村 茂 樹 君 議   員      川口谷   正 君 議   員      加 藤   斉 君 議   員      春 原 良 雄 君 議   員      柿 崎   勲 君 議   員      横 山 博 子 君 議   員      中 嶋 和 子 君 議   員      佐々木 周 子 君 議   員       高 橋 忠 明 君 議   員      常 本 省 三 君 議   員      佐 藤 美智夫 君 議   員      八 田 信 之 君 議   員      佐 藤 寿 雄 君 議   員      富 田 新 一 君 議   員      澤 木 繁 成 君 議   員      丹 野   勝 君 議   員      森   健 次 君 議   員      関 口 英 一 君 議   員      飯 坂 宗 子 君 議   員      生 駒 正 尚 君 議   員      小 川 勝 美 君 議   員      室 橋 一 郎 君 議   員      柴 田 薫 心 君 議   員      山 田 信市郎 君 議   員      青 木   護 君 議   員      長 岡 武 夫 君 議   員      水 由 正 美 君 議   員      赤 田   司 君 議   員      湊 谷   隆 君 議   員      政 氏    雅 君 議   員      本 舘 嘉 三 君 議   員      唯   博 幸 君 議   員      荒 川 尚 次 君 議   員      加 藤 隆 司 君 議   員      田 畑 光 雄 君 議   員      野 間 義 男 君 議   員      越 智 健 一 君 議   員      吉 野 晃 司 君 議   員      工 藤   勲 君 議   員      岡 本 修 造 君 議   員      滝 沢   隆 君 議   員      山 崎 七 郎 君 議   員      藤 田 雅 弘 君 議   員      田 畔   満 君 議   員      常 見 寿 夫 君 議   員      高 橋 重 人 君 議   員      菊 田 勝 雄 君 議   員      菅 井   盈 君  〇欠席議員(2人) 議   員      宮 本 吉 人 君 議   員      小 谷 俵 藏 君   ――――――─――――――――─ 〇説明員 市長         桂   信 雄 君 助役         木 戸 喜一郎 君 助役         魚 住 昌 也 君 助役         田 中 良 明 君 収入役        長 部 幸 一 君 交通事業管理者交通局長土 榮 勝 司 君 水道事業管理者水道局長石 原 弘 之 君 総務局長       伊 藤 忠 男 君 企画調整局長     井 原 貴 男 君 財政局長       久 元 喜 造 君 市民局長       大 野 雅 弘 君 民生局長       大 長 記 興 君 衛生局長       高 杉 信 男 君 環境局長       前 田 悦 雄 君 経済局長       鈴 木 俊 雄 君 建設局長       平 賀 岑 吾 君 都市整備局長     広 畑 民 雄 君 下水道局長      松 見 紀 忠 君 建築局長       関 谷 幸 正 君 市立札幌病院長    竹 田   保 君 消防局長       中 谷 多 宏 君 教育委員会委員    岡 部 卓 司 君
    教育委員会教育長   藤 島   積 君 選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君 選挙管理委員会委員  向 川 武 夫 君 人事委員会委員長   山 岡   暸 君 人事委員会事務局長  水 島 典 弘 君 監査委員       野 島 廣 紀 君 監査事務局長     東 山   誠 君   ――――――─――――――――─ 〇事務局出席職員 事務局長       鍛冶沢   徹 君 事務局次長      植 田 英 次 君 総務課長       佐 藤 正 明 君 議事課長       土 屋   逞 君 記録主幹記録係長事務取扱            谷 川 輝 雄 君 調査係長       木 村 正 実 君 資料係長       沼 田 光 弘 君 議事係長       高 森 政 行 君 委員会係長     山 内   馨 君 委員会係長     山 本 祥 一 君 書記         佐 藤 比登利 君 書記         高 佐 三緒子 君 書記         鈴 木 和 弥 君 書記         尾 形 英 樹 君 書記         今 井 一 行 君 書記         山 本 扶 美 君   ――――――─――――――――─  〔午後1時開議〕 ○議長(見延順章君) これより本日の会議を開きます。  出席議員数は,66人であります。   ――――――─――――――――─ ○議長(見延順章君) 本日の会議録署名議員として加藤隆司君,藤田雅弘君を指名します。   ――――――─――――――――─ ○議長(見延順章君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎事務局長鍛冶沢徹君) 報告いたします。  宮本吉人議員は,所用のため遅参する旨,届け出がございました。  本日の議事日程及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。   ――――――─――――――――─ ○議長(見延順章君) これより議事に入ります。  日程第1,議案第3号から第7号まで及び議案第12号から第15号までの9件を一括議題といたします。  昨日に引き続きまして,代表質問を行います。  通告がありますので,発言を許します。佐々木周子君。  (佐々木周子君登壇・拍手) ◆佐々木周子君 私は,市民ネットワーク北海道を代表して,当面する市政の諸課題について質問をいたします。  世界は,国家の枠を超えたECの統合の動きやカンボジア総選挙後のアジア情勢など,資本主義体制共産主義という対立構造から大きく変わり,ドラマチックな展開を見せています。  一方,日本でも,戦後社会を支えてきた政治の枠組みが大きく変わろうとしています。参加,分権,自治を柱に政治改革が行われるべきと考えます。地方自治体においても,地方分権地方主権を確立する必要があります。このためには,市民職員が大いに議論し,協力しながらまちづくりを進めることが大切だと思います。  質問の1番目に,不祥事にかかわる市長の姿勢についてお伺いいたします。  今議会は,板垣市政の継承を進めてきた桂市政の1期目の折返し点となります。しかし,これまでの市政を検証する間もなく,職員不祥事が続いていることは,職場全体の緊張感がうせ,仕事に対する熱意が減退しているあらわれではないでしょうか。  このような事態にあっては,市長みずからが,いままでにはない形で市政全体に対する市民信頼回復に努めるべきと考えます。職場管理検討委員会に対策をゆだね,その結果を待つというのは,いかがなものでしょうか。私は,市長が先頭に立ち,職員にも,市民にも見える形で,これまでにたまったあかを落とし,内部改革を進めていこうとする意気込みを表明していただきたいと考え,質問させていただきます。  最初に,職場の活性化について伺います。  職員不祥事が明るみに出るごとに,管理職の指導のあり方が問われております。しかし,いたずらに管理を強めるばかりであってはなりません。仕事を進める上で,職員とのコミュニケーションづくりは不可欠です。  先日,私は富野前逗子市長にお話を伺いました。8年間の市長在任中,時間の許す限り毎朝庁内を回り,職員に声をかけました。それは,市長自身の体力と時間との闘いでもありました。そうすることで,だんだん職員の仕事への意欲や人となりが見えてきたということです。また,職員の持てる能力を引き出すための試みとして,市民とともにチームを組み,まちづくりを進めました。苦しみながらも経験を重ねることで有能な職員に変身していったことに,富野前市長自身が大変驚かれたそうです。  不祥事が起きたことで,桂市長も訓示のために区役所等を訪れるのみならず,職員の奮起を促すため,出先機関へ時間をつくって足を運び,職員に声をかける機会をつくってはいかがでしょうか,お伺いいたします。  また,多くの若手職員自主研修に励んだり,課題研究に取り組んでいます。今後の市政執行には,新しい発想が不可欠となることから,若手職員とも自由に対話する機会を持ってはいかがでしょうか,あわせて伺います。  2点目に,市民との対話集会についてお伺いします。  これまで,市長は,各区の連合町内会役員経済界の方々と市政懇談会を持たれておりますが,広く市民とともに対話する機会はなかったのではないでしょうか。本市としては,画期的とも言える公募による街づくりサッポロ会議は,市政についての率直な意見を提言としてまとめました。その内容は,大変先進的であり,示唆に富んだものでありましたが,今年度は休止となり残念な思いです。  行政市民の関係は,長い間,行政サービスを与える側と受ける側の一方通行でしたが,福祉政策ごみ政策を初めとして,今後,両者が協力してまちづくりを進めていくことが求められております。  そこで,市長の出番です。親しく市民と話し合うことで,市民がどのようなことを考えているのか,肌で感じることができると思います。それが,お互いの理解を深め,信頼回復につながっていくのではないでしょうか。これまでのように参加者を特定せずに,市長市民とともに札幌まちづくりについて対話する青空集会などを開いてはいかがでしょうか,お伺いいたします。  3点目に,福祉オンブズマンについて伺います。  現在,本市では,民生局市民局などで,幾つかの市民相談窓口を持っています。しかし,それらが本当の意味で,市民の立場に立った解決策を見出しているのでしょうか。今回の不祥事は,福祉の現場で起きたものが多く,弱い立場の市民が,どこにも自分の声を届けることができなかった結果とも言えます。各種相談窓口が機能していたならば,問題が起きる前に,何らかの解決策を見出したと思われます。このような現実を考えると,公平な立場で,福祉に関連する問題を解決するための第三者機関の設置が望まれます。  市民ネットでは,1991年第2回定例会や昨年の決算特別委員会において,福祉オンブズマンの設置を求めております。初めの質問から2年が経過しており,方向性が見えてきたのではないかと考えます。現在までの検討状況をお知らせください。  質問の2番目に,福祉政策についてお伺いいたします。  昨年実施されました札幌高齢者生活実態調査の結果がまとまりました。今後,それらをもとに高齢者保健福祉計画策定されることになります。この調査によりますと,本市における65歳以上の高齢者の実態は,ひとり暮らし12.7%,高齢夫婦のみ36.7%,夫婦以外の高齢者世帯2.6%,その他46.8%であり,半分以上が高齢者のみの世帯であることがわかります。今後,さらにひとり暮らしが増加していくことが予想されます。  いつまでも地域に住み続けるためには,ホームヘルプサービスを初め,各種サービスが有機的に結びつき,希望に応じて受けられる体制づくりが求められてきます。そのために何が考えられるでしょうか。  この5月,私はノルウエーとフィンランド福祉行政を視察してまいりました。オスロ市長女性で,ご自身障害者であり,積極的に福祉政策を進めていらっしゃいます。オスロ市では,すでに1987年より福祉の権限が市から区へ大幅に委譲され,高齢者はもとより,障害者地域福祉が展開されています。また,1995年までに知的障害者の施設はすべて廃止され,地域へ戻る計画も進められています。  概略を申し上げますと,人口約50万人の市を25の区に分割し,1万人ないし2万人前後をさらに一つの区として設定し,直接民主主義的手法により,きめ細かな対応がされていました。  私が訪問したアメルド区も,区長と保健福祉局長女性でした。市がニーズに応じた保健社会サービス計画の作成に責任を持ち,財政的には,国や市からの補助金によって実際の保健社会サービスが行われています。  フィンランドにおいても地方分権が進んでおりましたが,福祉まちづくりを進めているヘルシンキ市の建設委員長が全盲の女性であったことは,大きな感動でした。北欧へ行って,女性解放運動高齢者福祉がいつも表裏一体で進んできたということを目の当たりにし,障害を持つ当事者と女性政策決定への参画,直接民主主義地方主権福祉充実のキーワードであることを実感して帰国いたしました。  そこで質問に移ります。  本市においても,高齢者保健福祉計画策定を以上のような理念に沿って策定すべきと考えますが,今回の実態調査の結果をどのように受けとめられるのか,市長のお考えを伺います。  次に,福祉区の設定について伺います。  福祉においては,日常生活の範囲内における利便性が保障されることが必要で,どのような豪華な施設でも,遠くにあれば意味がないことは明らかです。サービスを受ける手続や書類の煩雑さが,各種サービスの利用をためらわせている実情もあります。オスロ市の水準までは届かないまでも,日本でも人口1万ないし2万人前後を1福祉区と位置づけ,サービスの申込みも福祉区で行い,各種ワーカー,ヘルパー,保健婦が一体となった地域に密着したケアを,福祉区ごとに展開しようとしている先駆的な自治体もあります。本市においては,どこまで大胆な構想が考えられているのでしょうか。  厚生省が発表した福祉事務所あり方によりますと,福祉事務所の設置について,政令指定都市は,おおむね人口10万人ごとに1ヵ所とされ,そのエリアを福祉地区と位置づけております。  そこで,お尋ねします。  すなわち,行政区ごとに1福祉部という現在の本市あり方を,さらに小規模に分け,福祉区をつくり,そこを一定の権限を持った福祉地区として,きめ細かな行政を展開するお考えはおありでしょうか,伺います。  3点目として,計画策定に当たっての職員参加について伺います。  すぐれた地域福祉計画をつくった三鷹市健康福祉部には,多くの自治体職員が視察に訪れています。本市職員の能力をさらに引き出すためにも,特に三鷹市に学んだ,職員参加について提案いたします。  福祉計画策定の際,各種ワーカー保健婦,ホームヘルパー,理学療法士訪問指導員等を正規のメンバーとして位置づけること。それらの現場で市民と直接接している職員を中心に計画を立てることが,三鷹市が評価される一因となっています。これを実行することは,本市においては,区の活性化職員のアイデンティティーの確立を初め,多くの利点があり,市民にとってもよいことは言うまでもありません。懇談会で意見を聞いてみるというだけでは決定的に不十分です。  昨年7月,庁内に設置された札幌老人保健福祉計画策定委員会関係部長で,また,その中の研究部会関係課長係長職で構成されています。そのほかに,計画策定懇話会及び幹事会は,保健,医療,福祉専門家によって構成されております。  厚生省福祉事務所標準組織図によりますと,福祉事務所の組織及び機構の中に,各課の業務内容が示されております。その中で,総務課の業務として,庶務一般,経理,統計事務を所管するほかに,地域福祉計画策定が記されており,福祉計画福祉事務所が参加することになっております。  本市では,現場の職員は一体どこに参加するのでしょうか。また,職員の意見をくみ上げ,反映させる仕組みはどこにあるのでしょうか。これから具体的に計画策定が進められると思いますが,職員参加について,市長のお考えを伺います。  4点目として,ワーカーズ・コレクティブについて伺います。  在宅福祉は,地域で担う福祉であり,行政のみならず,自発的な市民活動によって担われるようになることが重要です。現在,連合町内会単位町内会は,地域のさまざまな行事の運営はもとより,行政最小単位組織として,広報さっぽろの配布委託街路灯の維持,市イベントへの動員など,多岐にわたった活動を引き受けています。しかし,その多忙さゆえ,役員のなり手も減っている現状もあります。  1987年,市の社会福祉協議会による札幌市の町内会自治会活動調査を見ますと,市の行政が何から何まで町内会に押しつけるのは問題であるという声が紹介され,町内会は,市の下請組織ではないという批判も上がっています。市の高齢化対策指針にも「町内会自治会福祉活動等を支援します」と記されており,これは強制や義務でなく,あくまでも意志ある市民主体的参加がなくてはならないものです。一つの福祉区の中に,福祉専門家を初め,町内会やボランティアやワーカーズネットワークがつくられることが必要です。  すでに市民ネットワークでは,1991年第3回定例会代表質問において,新たな市民事業としてのワーカーズ・コレクティブについて提起をしております。ワーカーズ・コレクティブは,雇う,雇われるの雇用関係を超え,みずから出資し,みずから運営する市民による労働者生産協同組合です。また,余りに進まない公共福祉の政策に対して,やむにやまれぬ思いで,障害者高齢者がみずから興した非営利の市民事業体ワーカーズ・コレクティブとして活動しています。  市長は,ワーカーズについて検討すると答弁されておりますが,どのような調査,評価をされているのか伺います。  また,三鷹市の地域福祉計画には,ワーカーズ・コレクティブへの支援が明確に記されました。本市でも,高齢者保健福祉計画に盛り込むお考えはおありでしょうか,伺います。  最後に,障害者福祉計画について伺います。  昨年第3回定例会において,私は,高齢者保健福祉計画を,障害者福祉計画も盛り込んだ地域福祉総合計画として策定すべきと申しました。オスロ市のすべての人が個人を主張し,生きていけることを基本とする福祉政策を見たり,北海道を初め,多くの自治体総合福祉計画として取り組んでいることを見ますと,一層その必要性を痛感しております。  市長は,高齢者とは別に,国連障害者10年の総括の後,新たな障害者中長期計画策定について答弁されました。昨年12月で終了した障害者の10年をどう総括されたのか伺います。  また,障害者福祉計画策定の時期についてお答えください。  質問の3番目に,エイズ問題についてお伺いいたします。  後天性免疫不全症候群,いわゆるエイズが,世紀末の病とセンセーショナルに登場してから10年が経過しました。当初,ハイリスクグループと言われ,特別の人がかかる病気という印象を持たれていたエイズも,近年では感染の確率が低いこと,日常生活では感染しないことなどが明らかになり,エイズとの共存が言われ,差別の解消などのキャンペーンが始まりました。しかし,現状はどうでしょうか。  1993年4月現在の日本におけるエイズ患者エイズウィルス感染者は2,866人,そのうち1,685人,58.7%は,血液感染血友病患者方たちです。アメリカの血液感染者は1%であることを考えると,日本は,政府と血液製剤会社による薬害であることは明らかです。輸入血液製剤エイズウィルスが混入している危険性が警告されていたにもかかわらず,血友病方たちに使用し続け,国内で加熱によってウィルスを不活化した加熱製剤が開発されるまでの2年間にわたり,多数のエイズ感染者が生み出されたことを忘れるわけにはいきません。  一方で,勇気を持って裁判に訴えている感染者の存在を無視するかのように「以前は輸血で感染する可能性は高かったが,いまでは加熱処理が行われるため感染はしません」とエイズ啓発のパンフレットには書かれています。エイズのみならず,サリドマイドや最近ではインフルエンザやMMRの予防接種など,疑わしきものは中止すると国がもっと早く決めたなら,被害の大多数は防げたはずです。自治体としては,国の方針をただ受け入れるだけでなく市民サイドに立った保健医療が求められています。  厚生省は,エイズ関連予算100億円を計上し,爆発的感染を食いとめようとしています。  本市では,今年度よりエイズ抗体検査が無料となり,積極的に検査を受けることを呼びかけています。検査体制の充実は不可欠ですが,エイズとの共生が今後大きな課題と考えます。なぜなら,検査を受けて陽性と判明した場合,その人はどうなるのでしょうか。仕事は,家族は,治療は,差別はなど,経済的,社会的,精神的苦しみだけが待っているのが現状です。  エイズ予防法によると,医師は,感染発見後7日以内に,都道府県は知事に,政令指定都市においては市長に報告すること,感染者は,感染行為の禁止や医師の指示遵守等が義務づけられています。そのため,日本で無料で検査を受けられるにもかかわらず,ハワイまで検査に行く人たち,自分の街で受けず,遠くの街で検査を受ける人たちもいます。エイズサーベランス委員会都道府県別に,患者・感染者数を発表するのも余り意味がないとも言えます。  社団法人日本病院会が2,389施設に対して行なったアンケートによれば,医療機関の3分の1が受診者の同意なしにエイズ検査をしていることがわかりました。また,エイズ治療の中核病院となることを希望する医療機関はわずか6.6%,希望しない理由は,スタッフの不足,設備が不十分,自信がないなどとなっています。  また,生命保険業界のエイズ対策医務連絡会は,保険加入時にエイズ検査を義務化し,感染者の加入を拒否することを検討し始めたと報道されております。
     そこで,1点目の質問です。  エイズとの共存や差別の禁止のキャンペーンの一方で,むしろそれに逆行する現状もあります。今後のエイズへの取組みは,さらに人権擁護に十二分に配慮する必要を痛感いたしますが,市長のお考えを伺います。  2点目として,本市が率先して差別の解消に取り組むべきと考えます。  職員採用試験において,エイズ感染が判明した場合,エイズを理由に採用取消しはすべきではないと考えますが,いかがでしょうか。  さらに,職員の中に患者・感染者がいる場合も,援助していくことを明確にすることが重要と思いますが,あわせて伺います。  3点目として,エイズ患者の支援について伺います。  来年,エイズ国際会議が横浜で開催され,世界120ヵ国1万人の参加が予想されております。一方,本市においてはエイズ学会が行われ,研究者,医療関係者を初め,患者の方の参加もあり得ると聞いております。その方たちが不安なく会議に出席できるよう,交通,宿泊,医療などの面でサポートする体制づくりが重要と考えますが,これまでどのような取組みをされているのでしょうか。  また,現在,保健所で行われているエイズ電話相談のほか,検査を受ける決心もつかず悩んでいる方たちや患者・感染者方たちの不安を取り除くカウンセリングが必要と考えますが,心理的・社会的支援の現状と今後の施策についてお考えを伺います。  質問の4番目に,留学生に対する施策についてお伺いいたします。  1983年に政府は,国際貢献の一環として,21世紀までに留学生10万人を受け入れる構想を打ち出しています。文部省の留学生課の調査によりますと,1991年には,留学生数は4万5,066人に達しています。また,このうち,中国,韓国,台湾からの留学生は全体の80%近くを占め,留学生の国籍は,圧倒的にアジア諸国が多いと言えます。  北海道では,1991年7月現在,約680名の留学生が国公私立大学のほか各種学校で勉強,研修生活を送っています。このうち札幌市に住んでいる方は,約7割近くになっています。  市民ネッワークでは,これまでも国際交流のあり方について取り上げてまいりました。国際都市を目指している札幌市として,都市間交流やイベント交流だけではなく留学生との交流にも積極的に支援を行なっていく必要があると思います。  質問の1点目として,わが国の留学生に対する施策は非常に立ちおくれておりますが,国を先取りして,国際交流の一環として,留学生との交流や支援事業を大切な課題として受けとめるべきと考えますが,市長のご見解をお伺いいたします。  2点目として,保育所職員に対しての研修等についてお伺いいたします。  北海道留学生交流推進協議会の調査によりますと,留学する前は社会人であった方が多く,子供を含めた家族と同居している方は約3割となっており,家族のための支援や交流事業も大切なことがわかります。国では,ようやく保育所に外国人の子供たちの入所が増加したことによって,言葉や文化,生活習慣の違いによって,さまざまな困難が生じていることを考え,外国人保育に関する調査,研究事業に着手しようとしています。  本市では,1992年4月現在,15カ国88人の子供たちが保育所に通っています。子供たちを受け入れている保育園では,習慣の違いや日常会話などでいろいろな苦労が多いとお聞きしております。  3月の予算委員会では,私どもは,このことに関連して質問し,現在,外国人向けの3ヵ国語の入園のしおりの作成に取り組んでいるとお聞きしています。このことは評価したいと思いますが,さらに保育所職員を対象とした外国での生活習慣や語学等の研修を行うことや,必要に応じて通訳の派遣なども行なってはいかがでしょうか,伺います。  3点目に,保育所に対する補助金について伺います。  神奈川県では,外国人児童保育事業として,保育所に対して補助金交付を行なっております。本市でも検討すべきと思われますが,あわせてお考えをお聞かせください。  4点目に,保育所の入所条件についてお伺いいたします。  夫婦とも留学生の場合には,保育所に子供を入所させることができますが,そうでない場合には,育児について相談する友人も少なく悩みが多いようです。現在,保育所への入所条件は,保育に欠けることを要件としておりますが,家庭内保育であっても,保育所への入所措置をし,留学生の子育て支援を行なってはどうでしょうか,お伺いいたします。  5点目に,リサイクルの情報提供について伺います。  留学生の国籍は多岐に上り,東南アジア等温暖な国からの方も多い状況です。数年の滞在のために,生活用品,特に寒冷地用品を取りそろえるのは,苦労が多いと聞いています。現在,自転車を提供して喜ばれているとのことですが,今後,各清掃事務所に集まってくる暖房器具や家具類等の生活用品について,留学生に対し,優先的に情報を提供できないものか伺います。  これで,私の質問を終わります。最後までお聞きくださいまして,ありがとうございました。(拍手) ○議長(見延順章君) 答弁を求めます。桂市長。 ◎市長(桂信雄君) それでは,私から3点についてお答えをいたします。  まず,不祥事にかかわる私の姿勢についてでございます。  第1点目の職場の活性化についてでございますが,私は,これまでも日ごろ接することの少ない若手職員と忌憚のない話合いをする場をつくってまいっております。この中で,日ごろから職員とのコミュニケーションを図ることが非常に大切であるとの思いを強くいたしております。  したがいまして,今後も区役所等に出向き,直接職員と対話をするなど,さまざまな機会を通じて,できる限り多くの職員と接するよう努力をしたいと考えております。  第2点目の市民との対話集会についてでございますが,行政市民の皆様と協力してまちづくりを進めていくことは重要なことであると考えております。  したがいまして,従来から市長と語る会,あるいはふれあいトークなど,さまざまな機会を設けて,多くの市民の方々と直接お話をするよう努めているところであります。今後も青空集会にこだわることなく,いろいろな機会をとらえて,市民の声を市政に反映させるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。  次に,第3点目の福祉オンブズマンについてでございます。  このことにつきましては,これまでにも答弁を申し上げたところでありますが,現行法下での既存制度との競合,あるいはこの制度をすでに実施しております他都市等の実情等にかんがみ,今後とも慎重に検討してまいりたいと考えております。  次に,福祉政策についてでございます。  第1点目と第3点目は関連がありますので,一括してお答えをいたします。  初めに,高齢者生活実態調査の結果をどのように受けとめているかということでありますが,私は,調査の結果から,特に寝たきりや痴呆性の高齢者とその家族に対する施策が重要であると受けとめているところであります。  また,高齢者保健福祉計画策定に当たっての職員の参加についてでありますが,昨年実施いたしました実態調査調査項目づくりを初め,計画策定に当たって最も重要な原案づくりにつきましても,区役所の職員保健所の保健婦が参加して進めているものであります。  次に,第2点目の福祉区の設定についてでございますが,お話にありましたように,地域に密着したケアを実施することは,今後の大きな課題であると認識いたしております。  したがいまして,本市では,一昨日,道見議員にもお答えをいたしましたように,地域福祉をなお一層推進することとしており,具体的には,社会福祉協議会が今年度からモデル的に実践いたします小地域ネットワーク活動推進事業等を積極的に支援するなど,その実現を図ってまいりたいと考えております。  次に,4点目のワーカーズ・コレクティブについてであります。  お話にありましたように,特にこれからの福祉は,民間の活発な活動なくしては達成がきわめて困難であります。したがいまして,民間の福祉活動の拠点であります社会福祉協議会を初め,市民の自主的な団体の活動には大いに期待をしております。このたびの高齢者保健福祉計画には,これら民間の福祉活動の振興についても盛り込んでまいりたいと考えております。  次に,第5点目の障害者福祉計画についてでございますが,国連障害者の10年の総括についてであります。  この10年は,障害者福祉の推進に大きな成果があったと認識をしております。そこで,今後もさらに障害者福祉施策の進展を図るため,本年度,障害者実態調査を実施し,その結果を踏まえて,平成6年度に障害者福祉計画策定したいと考えております。  次に,留学生に対する施策についてでございます。  第1点目の留学生との交流や支援事業でございますが,留学生と市民との交流は,市民の国際感覚を育てることや相互理解を深める上で大切なことであると考えております。  本市といたしましては,これまでも国際交流運動会を初め,留学生との各種交流や支援事業を行なっているところであり,今後とも,さらにこれらの事業の充実を図ってまいりたいと思います。  第2点目及び第3点目の留学生の子供が入所している保育所の職員に対する研修及び保育所への補助金についてでありますが,実態を十分調査した上で検討してまいりたいと思います。  また,通訳の派遣につきましては,外国語ボランティア登録制度の活用を図ることも可能であろうと思います。  次に,第4点目の保育所の入所条件の緩和についてであります。  保育所への児童の入所は,基準に基づいて保育に欠ける児童を対象とするものでありますことから,現状では困難であります。しかし,外国籍の保護者については,日本語を習得するための通学や,これに類する状態であっても入所措置の対象とするなど,実態として入所条件の緩和がなされているところであります。  第5点目のリサイクル情報の提供についてであります。  留学生の方々が必要とされるリサイクル情報につきましては,関係団体と相談し,要望にこたえるよう努めてまいりたいと思います。以上です。 ○議長(見延順章君) 田中助役。 ◎助役(田中良明君) エイズ対策について,私からお答えを申し上げます。  第1点目の人権擁護への配慮についてでございますが,職場や学校,地域社会などにおいて,誤解や偏見から感染者や患者の人権が侵害されることのないように,エイズに対する正しい知識の普及啓発に努めるとともに,プライバシー保護の観点から,任意匿名の方法による検査を実施するなど,エイズに対して差別,偏見を持たない社会環境づくりが重要であると認識をしておりまして,本市といたしましては,今後ともそのように努力をしてまいりたいと考えております。  第2点目の感染者の市職員採用についてでございますが,通常の勤務にたえられる限り,エイズであることを理由に採用を取り消すことはございません。また,職員エイズ感染した場合には,できるだけ発病を防ぐという観点から,職員の健康管理の一環としまして,生活指導やカウンセリングなどを行なってまいりたいと考えております。  第3点目のエイズ患者への支援についてでございますが,まず,会議に参加する目的などで来札する感染者・患者の交通,宿泊,医療などの支援体制づくりにつきましては,市民や企業等がエイズに関する正しい知識を持って対応するよう指導するとともに,その普及と啓発に努めているところでございます。  また,エイズに関するカウンセリングにつきましては,保健所や専門医療機関において,電話相談,面談等を行なっているところでございますが,本年度は新たにエイズ相談専用電話を設置し,気軽に相談できる体制の充実に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(見延順章君) 以上で,代表質問は全部終了いたしました。  (澤木繁成君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○議長(見延順章君) 澤木繁成君。 ◆澤木繁成君 委員会付託の動議を提出いたします。  すなわち,ただいま議題とされております議案9件を各位のお手元に配付の議案付託表のとおり,関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ただいまの澤木議会運営副委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。  動議のとおり決することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,ただいま議題とされております議案第3号から第7号まで及び議案第12号から第15号までの9件は,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり,関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。  〔付託表は巻末資料に掲載〕   ――――――─――――――――─ ○議長(見延順章君) お諮りをいたします。  本日の会議はこれをもって終了し,明6月4日から6日までは委員会審査等のため休会とし,6月7日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。   ――――――─――――――――─ ○議長(見延順章君) 本日は,これで散会いたします。   ――――――─――――――――─      散 会 午後1時37分 上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。  議  長           見  延  順  章  署名議員           加  藤  隆  司  署名議員           藤  田  雅  弘...